top of page

ガブリエルとファニー(プロローグに代えて)

ガブリエルとファニー(プロローグに代えて)

Gabriel and Fanny (instead of prologue) by Nava Semel From Hats of Glass (ホロコースト次世代の人生小品集から)「ガブリエルとファニー」(プロローグの代わりに)
2019 Kinneret Zmora Dvir Publishing House
ヘブライ語からの訳 樋口 範子

作品紹介

この作品は、1985年に刊行された『Hat of Glass』11篇に、各誌から選出された7作品を加え、著者の死後2019年に刊行された『Hats of Glass』の冒頭作品である。元々は、Yネット上で発表された小品。
ルーマニアを起点に、二度の世界大戦を生き延びた自らの祖父母の、当時はまったく語られなかったそれぞれの人生(1919年から1967年まで)を、孫であるナヴァ・セメルが史実参照と現地取材、本人への聞きとり、さらに想像を含めて書いた長編遺作『Fanny And Gabriel』(2017年刊行)の、いわば超短縮版である。戦中戦後を生きる苦難を、内面の思いも希望も異なる家族がどのように越え、互いの溝をどのように埋め、闘い、あるいは放置、黙認したかが、愛おしくも辛くもある孫の視点で描かれている。

bottom of page